今授業でアラブの文学について学んでいる。

今日は文学と愛について話していて。

クラスメートのハリーマがとっても輝いていた。

 

マダム・ハリーマ(推定年齢45歳)

だんなさんの仕事関係でチュニスに住んでいる

ナイジェリア人のハリーマ。

お子さんが2人海外の大学にいて、

小さな子と二人とだんなさんと

チュニスで一緒に住んでいるらしい。

普段は口数の少ない彼女だけど、

感じはいいけど威厳があって存在感がある。

 

去年、最初の授業で自己紹介のときに

「私は主婦です!」

と自信満々に答えた彼女。

 

仲良しのハンガリー人のMARIAは

それがとっても印象的だったらしく。

ハンガリーでは自分が主婦っていうのはみんないいたがらないそうだ。

『私は仕事をもっていません、だから家にいるの』って感覚があるんだそうだ。

「ごめんなさい、私、主婦なの」って恥ずかしげに言うんだそうだ。

「だから「私は主婦です!」って

  あんなに自信ありげに言ったハリーマを

  私、誇らしく思うわー」

ってマリアは言ってた。

 

そんなハリーマ。

今日は夫婦の現状について話していて

いつになくとっても積極的に発言していた。

 

テーマは夫婦の間に何が必要か。

愛、尊敬、信頼、相互援助、共同、真実、

忠誠心、隠し事をしないこと、義務、権利、

などがあがった。

そしてそのうち何が一番必要か、

個人的には夫婦間に何を望むか、

主人公にはなにが欠如していたのか。

それらは現実にはどうか。

 

どこにもない、という意見。

 

ハリーマは

「あるわ。

  全部ある、

  ハリウッドに・・・」

と言った。

ハリウッドの中だけねー。

先生おおうけ。

 

私はすべての家庭にあると言った。

すべての夫婦間、家庭にあるはずで、

問題はそれをお互いが気付かなかったり、

十分でない、と思ったりするんだ、と言った。

 

十分でない愛?十分でない信頼?

それって何なの?

という意見。

 

理想だけでたいていの家庭にはない、

という方向に。

その時ハリーマが言った。

「あるわ。

 全ての夫婦のあいだに。

 結婚する前はね。」

 

すごい。

今日おもしろいよ、ハリーマ。

ハリーマは静かだけど

いつもはにかんだ微笑みで幸せそう。

彼女の結婚生活がうまくいってないとは

誰も思わない。

彼女の皮肉のきいたジョークに

授業後みんなが話していた。

「来たね、ハリーマの時代が!」